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オス猫ちゃんは要注意!猫の下部尿路疾患(FLUTD)について

今回は手術の写真があるので苦手な方はご遠慮くださいませ。

こんにちは、院長のHです。

非常に寒くなってまいりました。

毎年冬になると増える病気に一つに猫ちゃんの「下部尿路疾患」というものがあります。

膀胱炎膀胱結石などをまとめたものの総称ですが、これらは両方同時に起こることが非常に多いのでこのように呼ばれています。

原因、発症要因としてはストレス肥満運動不足、水分の摂取不足があるとは言われていますが、基本的には原因不明です。冬は水分の摂取量が減るから多くなるともいわれています。

症状としては

おしっこが出しにくそう、トイレで鳴く

血尿が出る

何度もトイレでおしっこをする

トイレ出ない場所でおしっこをするようになった

などです。なかでも、おしっこを出したいけど出せていないケースは尿道閉塞の可能性があり急性腎不全になってしまうため非常に危険です。

膀胱結石はもちろん尿道閉塞を引き起こしうるのですが、膀胱炎により膀胱内に発生する細胞や血液が塊となり栓子と呼ばれるプラグを作り、それが尿道閉塞を起こしてしまうこともあります。

特にオスの猫ちゃんは尿道が細いので、閉塞しやすく注意が必要です。もし閉塞してしまっている場合は緊急処置が必要になります。

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尿道閉塞の処置に用いるOlive Tip カテーテルです。

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治療は主に抗炎症剤食事療法となります。ストレスをかけないことと、ダイエットも再発防止には重要です。

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食事療法に主に用いられるのはロイヤルカナンユリナリーS/O+CLTです。

しかし再発を繰り返す場合や尿道の損傷がひどい場合は尿道の開口部を広く広げる「会陰尿道作瘻術」で治療を行うこととなります。

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手術後はペニスがなくなり、メスの猫ちゃんのような広い尿道開口部となります。これで再度結石や栓子が出来ても尿道閉塞が再発する可能性は低くなります。
67D966F3-FAF3-43AF-852C-DD63FD7FE0FC術後1か月のお尻です。

猫の特発性膀胱炎を予防するためには

①トイレを清潔に保つ

トイレは静かで明るい開放的な場所を選んであげましょう。多頭飼育のお宅は猫ちゃんの数以上のトイレを用意してあげてください。

②キャットタワーなどを設置して運動量を増やす

ダイエットも重要です。

③ストレスを緩和してあげる

猫は環境の変化に敏感です。知らない場所や知らない人と会う際に非常にストレスを感じますので、隠れられるような安心できる場所を確保してあげてください。

④水を多く飲ませる

猫は新鮮な水を好みます。 水をまめに変えてあげましょう。循環式の流れる水が好きな子もいますので色々と工夫してあげてください。

猫ちゃん(特にオス猫ちゃん)は毎日ちゃんとおしっこが出ているかを確認してあげてください。もし上記の症状が当てはまる場合はお早めにご相談くださいませ。

ココロよしざき動物病院 H

外耳炎とアレルギー

外耳炎に悩まされたことのあるワンコは多いと思います。

耳の中は覗きにくく、直接見えないので異変に気付きづらく、注意が必要です。

そんな外耳炎、実はアレルギーやアトピーが原因である場合が多いのです。

外耳炎に罹患した犬の90%アトピー性皮膚炎食物アレルギーの関与が認められているとの報告があります。

さらに、そのアトピー性皮膚炎食物アレルギーの患者さんの半数近くは最初に病変が現れる場所が耳であり、まれに耳にしか症状が現れないこともあるとも言われています。(Jennifer L,Motousek the veterinary clinics of North America 2004)

すなはち、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの早期発見のためには若いうちから耳はマメにチェックすべきであるという事です。

下はオトスコープで見た外耳道の画像です。

 

正常鼓膜

↑これは正常な外耳道です。奥にはきれいな鼓膜が見えます。

外耳炎

↑食物アレルギーのワンコの外耳炎です。黄色い耳垢が鼓膜の周囲に集まっています。嚢胞2

↑こちらは非常に悪化した外耳炎です。ボコボコに過形成が見られます。こういったケースではより耳垢が溜まりやすくなります。

 耳を定期的にチェックすることは非常に重要です。

自宅では定期的に耳を覗き、耳垢が出てきている場合は指の届く範囲でティッシュで優しく取り除くようにしてください。

基本的に奥のほうを綿棒で掃除する必要はありません。洗浄液はVirbac社のエピオティックペプチドがお勧めです。洗浄効果が非常に高く、皮膚にやさしいです。洗浄方法はHPをご覧ください。詳しくムービーで説明してあります。

 奥からどんどん黒い耳垢が出てくる場合や赤くはれている場合は病院での治療が必要な場合があります。慢性再発性の場合はアレルギーの関与の可能性もあるので、ご相談ください。

ココロよしざき動物病院 H

 

 

 

 

高血圧について

院長のHです。

高血圧は人には生活習慣病として良く知られている問題で、塩分の摂取や肥満、動脈硬化などが原因であるといわれていますが、

じつはワンちゃん、ネコちゃんにも高血圧症というものはあります。

ワンちゃんネコちゃんにおいてはヒトでの原因でなることはほとんどありません。おもに心臓病・ホルモンの病気・腎臓病などに起因して起こります。

血圧

 

高血圧による具体的な症状というのは特にありませんが、放置しておくと重大な問題を引き起こすことがあります。特にダメージを受けやすいのが脳・眼・腎臓および心臓で、血管の破たんなどを引き起こします。
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上の画像は高血圧症のネコちゃんの眼の網膜です。赤い出血箇所が見られます。血圧を下げるお薬で治療を行います。

IMG_6407一方でこちらは正常な網膜です。こちらのネコちゃんも当初重度な高血圧で網膜出血・網膜剥離を引き起こし視力を失いましたが、早期の投薬により改善し、視力を取り戻すことができました。

最高血圧が140mmHg以上の前高血圧のうちから治療をすることをお勧めします。定期的な血圧測定を行いましょう。

ココロよしざき動物病院 H

 

椎間板ヘルニアとリハビリテーション

こんにちは

院長のHです。

「椎間板ヘルニア」はミニチュアダックスフントに非常に多い病気です。

ダックス特有の長~い背中の、腰あたりに好発するトラブルです。

背骨の間をつないでいるクッション材である椎間板の一部が上方に突出し、脊髄神経を圧迫しすることにより脊髄に障害を引き起こす病気です。

下の画像でいうところの赤いものがヘルニア、黄色いのが脊髄神経です。

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下は実際のCT画像ですが、赤矢印で示してある白い丸がヘルニアです。

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ある日突然下半身に麻痺が出るようなケースが多いです。痛みを伴う事も多く、重度な場合は手術で摘出を行います。

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これは実際に手術で摘出した髄核(ヘルニアの原因)です。P1190763

もともと麻痺が出ていたような重症度の高い子の場合は手術後にリハビリが始まります。P1190767

関節、筋肉が固まらないように膝や股関節、尻尾などの屈伸運動を行います。これはむくみの軽減などの効果もあります。

足先を軽くつまみ、引っ込め反射を誘発させ、神経を刺激してゆきます。

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麻痺の影響で足がすぐに裏返ってしまいますが、しっかり元通りに接地させて肉球が地面に着く感覚を思い出させます。

こういったメニューを毎日3回行います。

リハビリは長期に渡ることがありますので退院後はご自宅で行っていただくこととなります。

上の写真は実際に当院で手術した子です。発症した時は全く歩行困難でしたが、手術後2~3日でしっぽが動くようになってきました。我々スタッフもとてもうれしいです。これから段階ごとのリハビリメニューが待っています。また元気よく走れるように頑張ろう!

ココロよしざき動物病院 H

SFTS(重症熱性血小板減少症症候群)について

こんにちは。

今回は感染症のお話です。

新聞やニュースにもなったのでご存知の方もおられるかもしれませんが、

本年6月にネコちゃんを診察した広島県の獣医師がネコちゃんの体液からウイルス感染症重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が感染するという事例がありました。その獣医師は治癒しましたが、ネコちゃんは間もなく亡くなりました。

一般的にSFTSウイルス感染症はマダニが主な感染源ですが、このように動物から感染した例も複数確認されています。

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SFTSウイルスを持ったマダニや感染した動物は兵庫県内でも確認されていますので今後、人への感染も注意が必要です。

ペットへの感染を防ぐためには

●ネコちゃんはなるべく外へ出さず室内で飼う

●ワンちゃんもネコちゃんもノミ・マダニ予防を徹底する

また、万が一マダニが付着した場合は素手で触らず獣医師に相談するようにお願い致します。

ココロよしざき動物病院 H

新しいレントゲン装置を導入ました。

新しいレントゲン装置である

CanonのVPX-500B

を導入しました。

大容量X線管を搭載しており、

管電圧が上がり、短時間撮影が可能となり(シャッタースピードが短くなるイメージ)被ばく量も減少、呼吸および心臓の動きも影響をうけづらくなり、より観察しやすいレントゲン画像を得られるようになりました。

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高まる医療ニーズに応えるため、最近は医療器機を他にも多く導入していっており、決して広くはない院内のスペースがどんどん無くなっていってますが、このレントゲン装置は省スペースであるため非常に助かります。VPX-500-2

 

骨折や靭帯損傷などの運動期疾患はもちろん、肺炎や心臓病などにもレントゲン検査は必須となっております。以下は当院における一例です。Xray20000これは心臓病による肺水腫により呼吸困難となったネコちゃんです。肺が白くなっています。

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4日間の入院治療後は肺は良化し、呼吸も問題なく退院しました。

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これは6カ月のワンちゃんです。高いところから落下し、手を骨折しててしまいましたが、プレート固定により歩けるようになりました。

レントゲン検査は被ばく量も少なく、麻酔も不要なので健康診断にも気軽に行う事が出来ます。

お気軽にお問い合わせくださいませ。

ココロよしざき動物病院 H

 

内視鏡下の異物除去


こんにちは

院長のHです。

最近、内視鏡が大活躍するケースが非常に多いです。

その中で最も多いのが異物の誤食です。

ワンちゃんを飼っている方は一度はヒヤッとしたことがあるのではないかと。内視鏡もしうっかり異物を飲み込んだとしても内視鏡を早期に行えば開腹せずとも胃内異物を摘出することが出来る場合があります。

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これまで内視鏡により多くの物を摘出してきました。焼き鳥の串やケンタッキーの骨、子供のおもちゃやプラスチック片、梅干しの種やビニール、ガーゼや湿布、100円玉など挙げだすときりがないです。
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これらはどれも腸に行くと詰まったり刺さってしまう危険なものばかりで、そうなってしまうと緊急開腹手術になります。

まずは催吐処置といって吐き気を催す薬で嘔吐させるのですが、尖ったものは危険なのでそれも行う事が出来ません。

胃内にあるうちに内視鏡で摘出する必要があるのでなるべく早くご相談頂く事が重要かと思います。

ココロよしざき動物病院 H

 

大腿骨頭壊死(レッグペルテス病)

こんにちは、院長のHです。

10歳以上のワンちゃんには関節炎が多いというTopicをお話ししましたが、

若いワンちゃんに特有の関節のトラブルもあります。

それは大腿骨頭壊死(レッグペルテス)病です。

6か月齢などの若齢の小さいワンちゃんに比較的起こりやすい股関節のトラブルです。

ある日痛みが出て、びっこを引いて気づくことが多いです。

触診では、伸ばした時に痛むケースが多く、すでに筋肉が落ちてしまっている事もあります。

遺伝も示唆されていますが、原因は不明です。

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このレントゲンの向かって☜左側の股関節がレッグペルテス病であることがわかります。

拡大すると
Xray0001赤のラインの骨頚が太くなっています。レントゲン上ではごくわずかな異常しか見られない場合も多く、診断に悩むケースもあります。

手術で骨頭切除を行う事となります。Xray30001

P1130719当院で手術したケースです。摘出した骨頭はすでに割れておりました。

レントゲンでの変化はわずかですが、実際骨頭を摘出してみるとここまで崩壊していることが多いのです。

レントゲンだけで手術のご説明しても飼い主様には非常にイメージしづらく、手術のご決断がしづらいところだと思いますのでこの崩壊した骨頭の写真をお見せして手術の必要性をご説明することとしています。

このワンちゃんは無事、元気に歩くことができるようになりました。

若いワンちゃんに特有の大腿骨頭切除(レッグペルテス病)のお話でした。

ココロよしざき動物病院 H

 

 

犬の痛みに気づいてあげましょう

皆様こんにちは

階段を昇り降りする際に足が腰がいたた・・・など

関節炎にお悩みの方は多くおられると思います。

それはワンちゃんに関しても同様で、

10歳以上の大型犬の74%、小型犬の33%に関節炎があるといわれています。

これは非常に多い数字です。

変形性関節症(日本大学の調査より)

ワンちゃんが「あまりよく寝れてない」、「段差を嫌がる」など様々な兆候が見られる場合痛みを訴えている可能性があります。 慢性痛

 

「歳だから仕方ないかな」と思いがちですが、痛みが無くなると元気になるケースもございます。

おうちにいるワンちゃんたちの姿を思い出しながら、上記の8つのポイントに関してチェックしてみてください。(動物の痛み研究会HPより)

当てはまる項目がある場合はお気軽にご相談くださいませ。

甘噛みの対処

こんにちは 院長のHです。 最近、仔犬の甘噛みに関するご相談が多く、 こちらに軽くですが解説させていただきます。 026028 029 027 030