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血液検査前の絶食は必要?

 

皆さまこんにちは。
5月になりフィラリア予防をされる方が増えてきました。
当院ではフィラリア検査時に血液検査も一緒にお勧めしており、実施される方も多いと思います。
その際、「犬も血液検査のときは絶食した方がいいですか?」と聞かれることがしばしばあります。
結論から申しますと絶食は必要です。
今回は血液検査時の絶食の必要性についてお話ししたいと思います。

〇絶食しないと何が変わる?
食事前と後では、尿素窒素」、「中性脂肪血糖値の数値が変化します。
食事には三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物が含まれていますが、タンパク質は尿素窒素に、脂質は中性脂肪に、炭水化物は血糖値に体内で変換されます。そのため、食後にはこれらの数値 (特に中性脂肪) が食事前よりも高くなってしまいます。血液検査の正常値は絶食時を基準としているため、結果上は異常値と出てしまいます。

三大栄養素

〇数値が高いとどうなる?
「血糖値」が高ければ糖尿病やクッシング症候群、
「中性脂肪」が高ければ高脂血症や肝臓・胆嚢の病気、
「尿素窒素」が高ければ腎臓病や消化管出血
といった病気の可能性が出てきます。
これらの可能性を排除するために絶食をした状態での再検査が必要となります。

〇何時間の絶食が必要?
血液検査前の絶食は犬も猫も人と同じで、10~12時間以上が良いと言われています。
よって、前日の夜ご飯は与えても大丈夫ですが、検査当日の朝ご飯は与えずに来院していただくのがベストです。

〇絶食すべきではない場合
ここまで血液検査前は絶食が必要とお伝えしてきましたが、これらは「健康な成犬」の場合です。生後3か月以内の子犬重い病気を患っている成犬は生命維持にかなりのエネルギーを要するため半日以上絶食すると体調を崩してしまうことがあります。こういった子達は絶食が危険な場合があるので、絶食が必要かどうかは獣医師の判断に従ってください。

 

食事によって血液検査にひっかかってしまったとしても再検査を行えば病気との区別はつけることは可能です。
しかしそのためには病院に来ていただく時間、再検査の費用、そして何より採血によるわんちゃんへのストレスがかかってしまいます。
このような必要のない負担を減らすためにも、フィラリア検査時に血液検査の実施を予め決めている方は可能であれば絶食した状態でご来院いただくようお願いいたします。

 

ココロよしざき動物病院 F

腹腔鏡手術

みなさまこんにちは。

すっかり暖かく、気持ちのいい季節となりました。

寒い季節から一変、

ワンコと青空の下を散歩するのは気持ち良さそうで非常にうらやましいです。(私はワンコを飼っておりませんので・・・)

ところで、今回は近年注目されている

腹腔鏡手術について解説いたします。

当院は特色として耳鏡内視鏡などカメラを用いて低侵襲な治療することが多いですが、内視鏡

腹腔(お腹の中)にカメラを入れて手術をする腹腔鏡手術も行っております。

避妊手術(卵巣子宮摘出)において主に用います。

従来の避妊手術は開腹手術で卵巣子宮をけん引し、体外に出して切除するものでしたが、

腹腔鏡手術は腹腔内で映像を確認しながらすべての手術を完結させます。

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体外に臓器を出すことなく、けん引することなく終えるので、非常に正確で安全、かつ清潔な手術と言えます。

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もちろん小さな傷で行うことが出来ることもメリットです。

ラパロ傷

 

 

 

 

人間だと次の日から仕事ができる場合もあるようです。ワンコは散歩が仕事ですかね!?

※適応症例には限りがあり、ご希望に添えない場合もありますので、ご希望の方は個別でご相談くださいませ。

 

ココロよしざき動物病院 H