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猫の風邪は眼を傷つける?

 

みなさまこんにちは。

ようやく台風が過ぎ去ってくれましたね。
みなさまの地域での台風の被害は大丈夫でしたでしょうか。
そして台風の影響なのか、涼しくなりましたね。
急に気温が変わったことで風邪などに注意しなくてはいけなくなりましたが、
猫ちゃんも人間と同じく風邪を引くのはご存じでしょうか。

風邪を引くとくしゃみや鼻水など猫ちゃんは人間と同じような症状も出ますが、
それに加えて結膜炎になり眼が充血したり、緑色の目やにが出てしまうことがあります。
そして何より、角膜という眼の表面を覆う膜を傷つけてしまう可能性があるのです。

〇原因は?
猫ちゃんの風邪は主に猫ヘルペスウイルスというウイルスが原因であることが多いです。
このウイルスが眼の表面に感染し、角膜を削ってしまうのです。

〇どうやって検査する?
角膜に出来た傷は検査によって確認することができます。
フルオレセイン染色といった特殊な液体を角膜表面に点眼しブルーライトで確認すると傷ついた部分が、以下の写真のように黄緑色に光ります。S__443359281

(フルオレセイン染色した眼)

 

〇治療法は?
基本的には、二次感染を防ぐ抗生剤とウイルスの増殖を防ぐインターフェロン製剤を点眼することになります。早めに治療を行うことで傷は基本的にすぐに治ります。
下の写真は点眼をして3日後の眼で、傷が明らかに小さくなっています。この後さらに四日後には完全に傷はなくなりました。

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(3日後に再度染色した眼)

〇再発することはある?
このヘルペスウイルスですが、一度やっつけても完全には体から消えてはくれません。
三叉神経節という場所に潜伏してしまい、猫ちゃんの免疫が低下したり、ひどくストレスを感じたときなどにまた眼に感染してしまうのです。
そのため、一度かかってしまった子は眼の充血やくしゃみに注意してあげてください。

〇予防はできるの?
一般的な猫のワクチンには、この猫ヘルペスウイルスの成分は入っています。
しかし残念ながら完全に感染を阻止することはできないため、感染はしてしまいます。
ただし、現在流行している新型コロナウイルスと同じように感染後に重症化するのを防ぐことができますので、外出することが多い猫ちゃんは特にですが、外出しない子でも予防接種は済ませてあげてください。


猫ヘルペスウイルスはただの風邪ではありますが、こじらせてしまうと複雑になることがあります。くしゃみなどの症状が出た場合はぜひ病院に一度お越しください。

 


ココロよしざき動物病院 F

お腹を(大きく)開けない時代へ

みなさまこんにちは

院長のHです。

腹腔鏡の話をさせていただきます。

近年、腹腔鏡手術というものは獣医でもかなり浸透してまいりました。

当院においても腹腔鏡手術件数は増加しており、すっかりお腹を大きく開けることが少なくなりました。

「なんで今まで腹腔鏡が普及していなかったんだろう」

「なんで今までお腹を大きく開けていたんだろう」

と思うほど腹腔鏡手術は出血も少なく、低侵襲(負担が少ない手術)です。

適応範囲がまだ限られているのですが、将来的に増えてゆくと思われます。

先日、腹腔鏡手術で膀胱・尿道結石の手術がありましたのでその様子をご紹介したします。

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小切開にて膀胱内にカメラ挿入

S__21602312目的の膀胱結石を確認S__21602311

 

吸引機でS__21602310

 

吸引!!S__21602309

 

除去していない結石が無いか入念に確認いたします。尿道までスコープを挿入します。

後は縫合して終了!

画面越しに手術をする新しい時代です。お腹の中が手術室ですね!

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傷も小さく済みましたが、なにより術後に痛みが少なく楽そうなのがいいですね!

ココロよしざき動物病院 H