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猫の心臓病について

みなさまこんにちは。

年に1度のワクチンで来院される猫ちゃんが増えてきました。
そこで今回は猫に最も多い心臓病についてお話したいと思います。

〇どんな心臓病?
猫ちゃんで最も多く最も注意しなくてはいけない心臓病は、「肥大型心筋症」です。
この病気は名前の通り、心臓の筋肉 (心筋)が肥大して厚くなってしまい、全身に血液を送る能力が弱くなってしまう病気です。
この病気は遺伝子が関連していると言われており、患っている猫のほとんどは生まれつき持っていることが多いと言われています。

肥大型心筋症3
(日本心臓財団より抜粋)

 

〇聴診でもわからないことがある?
猫ちゃんが来院した際、我々獣医師は聴診にて異常な音 (心雑音)がないかを確認しています。
しかし、猫の心筋症はたとえ患っていたとしても軽度であれば、聴診では気づかないこともあると言われており、見た目上健康かつ聴診も正常な猫の内、14.7%で肥大型心筋症と診断されたという報告もあります。

〇診断方法は?
では、どうやって診断するのかというと、肥大型心筋症は主に心臓の超音波検査にて心筋が肥大しているのを確認することで診断を行います。また、肥大したことで血液の流れが悪くなってないか、心臓に負担がかかっていないかも確認できます。

〇肥大型心筋症は危険?
基本的に無症状であることが多く、心筋症に気づかずに生涯を終える猫もいると言われています。
しかし一方で、進行してしまった場合、肺に水がたまって呼吸困難に陥ったり、心臓でできた血栓が後ろ足の血管に詰まることで後ろ足の神経麻痺が起きたりと重篤な症状になることもあります。また、無症状でも進行を抑えるために内服が必要な場合もあり、早期の発見が重要になってきます。

〇健康診断では超音波検査もご一緒に
肥大型心筋症は超音波検査しない限りは重篤になるまで発見されない病気です。
猫ちゃんを飼われている方で一度確認してほしいという方はお気軽にご相談ください。
ただし、検査には時間を要することもあるため、実施することが決まっている方は事前のご予約をお願いいたします。

 

ココロよしざき動物病院 F

 

 

尿路結石〜隠れたトラブル〜

皆様こんにちは。

今月はたまたまですが、尿管結石の手術が相次ぎました。

病院あるあるですが、同じ病気って何故か続くんです。不思議ですね・・・

 ここで尿管結石とは・・・

尿路に結石が出来る病気の一つで、

 尿管

尿管(腎臓から膀胱へつながる尿路)に詰まる石のことです。

人間だと背部痛やわき腹の痛みを伴い、その痛みの強さの余り、救急車を呼ぶこともあると言われています。

犬や猫でも「痛い!」とは言わないものの、症状は同様であると考えられています。「なんだか元気がない」「食欲が少しおいている」といった稟告から、「まったく普段と変わらず元気だよ!」とおっしゃる方まで様々です。

普段一緒にいる飼い主様でもなかなか気づきづらいのが現状です。

結石の大きさによっては腎機能の低下を伴う場合もありますので非常に注意が必要です。

若いワンちゃん、ネコちゃんでもよく見られますので、エコー検査やレントゲン検査で定期検診をお勧めいたします。

ちなみに 原因で最も多いのは「シュウ酸カルシウム」です。これも人とまったく同様でございます。

早期発見であると食事により悪化を防げる可能性がありますので、定期的な検査をお勧めいたします。

ココロよしざき動物病院 H