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膝蓋骨脱臼

犬に多い膝蓋骨脱臼についてです。

小型犬に多い病気で、膝のお皿が左右にずれて脱臼してしまうのです。

子犬のころから発症することが多く、徐々に進行してゆく病気で注意が必要です。

我々はよく略称として「パテラ」と呼びます。膝蓋骨の事を英語でPatellaと表記するからです。

Patella

小型犬は体重が軽く、痛がっても歩行可能ですのであまり症状がない事も多いので気付き難いのですが、「関節炎」「前十字靭帯断裂」になってしまうリスクが高くなります。

ですのでパテラのワンコはあまり激しい運動はさせないほうが良いとお話させていただいています

猫では非常に稀です。

牛でも稀にあると聞いたことはありますが、歩けないし治療もできないようです・・・可哀そうですね・・

予防としては

①フローリングにカーペットをひいてあげる

②体重をあまり増やさない

すでにパテラが軽度にある場合「I→Z運動」を行う。➡これはやや難しいのでBlogでの説明は控えておきます。

一般的に手術は

①パテラが収まる溝の「滑車溝」を掘り下げる

②パテラが付着する「頸骨粗面」をカットして脱臼と反対側に少しずらす

③関節包を反対側に引っ張るように縫い縮める

④脱臼する側に牽引している筋肉を切離する

などなど・・・

非常に手順の多い手術となります。

滑車溝

↑滑車溝を掘り下げる「ブロックリセッション」

手術は結構疲れます・・・

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手術中は平気なんですが、終わると疲れがどっと出ます。

しかし無事に治ったワンコを見ると疲れも吹き飛びますよね!!くう手術後は2か月ほどの経過観察ののち、治療終了となります。

パテラは一生付き合う病気となる可能性があります。予防により進行を遅らせることが出来る可能性もあるので気になる方はお早めにご相談ください。

ココロよしざき動物病院 H

ストレスによって起きる膀胱炎をご存じですか?

みなさまこんにちは。
今回は猫の病気の中でストレスによって発生する膀胱炎についてお話していきたいと思います。

〇ストレス性膀胱炎?
猫は、血尿や頻尿を引き起こすことがとても多いです。これらは猫下部尿路疾患 (FLUTS)と呼ばれており、様々な原因 (尿結石、感染症、癌…)によって引き起こされます。実はその中で最も多い原因はストレスです。これを特にストレス性膀胱炎と言い、全体の半数を占めます。

ストレス性膀胱炎の原因2

〇診断のための検査
ストレス性膀胱炎かどうかは、超音波検査や尿検査で尿結石、癌、細菌などの原因がし、残ったストレスが原因だと診断します。

〇治療法
膀胱炎は、血尿もあり痛みを伴うため、対症療法として抗炎症鎮痛剤を内服し、基本1週間程で改善します。
しかし、元々はストレスからきているため、それを改善しなければ再発する可能性がかなり高いですが、ストレスの原因といっても精神的なものもあれば、飲水量による身体的なものもあります。以下にリスク因子と改善方法をお示ししますので、参考にしていただければと思います。

ストレス性膀胱炎のリスク因子2

 

環境改善方法

猫の飲水量を増やす
・飲み水はつぎ足すのではなく、常に新しいものを用意する。
・循環式容器や蛇口からの流水を飲むか試す。
・トイレの近くには飲み水の器は置かない。
・ウェットフードにする (※歯周病に注意)

トイレの環境を整備する
・猫の数+1つ以上は用意する (多頭飼いの場合)
・サイズを体長の5倍まで大きくする。
・好みにあった猫砂を使う。
・掻いても床が見えない量の猫砂を入れてあげる。

ストレスの少ない環境を用意する
・キャットタワーなど見下ろせる場所を作る。
・狩猟本能を刺激するような遊びをしてあげる。
・爪とぎを用意する。
・雑音を最小限にする。
・生活サイクルをできるだけ一定にする。

膀胱炎になったことがあるかたは上記の項目で改善できる箇所がないか今一度確認してみてください。もちろん、トイレの数や大きさなど、項目を満たしていなくても膀胱炎を発症しない猫ちゃんはたくさんいます。皆様の猫ちゃんがどこを改善してあげればストレスが減少するのかを考えてあげていただければと思います。
どうしても悩まれる方は僕たち獣医師も共に考えさせていただきますので、いつでもご相談いただければと思います。

 ココロよしざき動物病院 F

内視鏡手術って?メリットとデメリット

みなさまこんにちは

院長のHです。

今回は

当院で行っている内視鏡手術・腹腔鏡手術についてご説明させていただきます。

一般的に、手術となると開腹手術や開胸手術のことを言い、大きな負担がかかる上に傷も残ることが多いです。

その問題の解決方法として内視鏡手術があります。

数㎜~1㎝の傷で手術を済ませることが出来ます。

 待合室モニタ
ラパロ後 2mb以下

 

「犬や猫は痛みに強いから」と言われていた(獣医ですらも言っていた)時代がありました。しかし、実は近年、それは間違いであることがわかり、開腹手術と比較して内視鏡手術では術後の活動性が良いという報告があります。

術後のコルチゾール(つらい、痛いときに出るモルモン)の分泌が内視鏡手術では低下しており、ストレスが緩和されている可能性が示されています。

実際、内視鏡手術の場合は手術の翌日でも普段どうりの生活が出来ていたと喜んでいただけることが多いです。E09695C8-C5B4-466B-A31C-5D02F525E5A5

人医療の方では術後翌日から仕事ができたり、子供だとゲームができたりと、実際にかなり楽だと言います。

犬猫は痛みを言葉で訴えないですが、なるべく負担をかけない手術をしてあげたいものです。

また腹腔内で手術を終わらせてしまうので内臓を外気にさらさず非常に清潔に

手術ができます。

また非常に鮮明な拡大された視野で、肉眼よりも丁寧な手術ができます。もはや普通の開腹手術のほうが細部が見えないので不安です。。。

腹腔内

より良く、動物にやさしい医療ができるという事で、内視鏡手術は非常に有用な選択肢ではないでしょうか。

 デメリットとしては高価な機械を使うのでやや高価であるという事や、時にやや時間がかかってしまうことが挙げられます。より洗練された手術を行うためにトレーニングは欠かせません・・・

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box内で折り紙を折るトレーニングをしています。

 

 内視鏡で可能な手術には限りがありますのでご相談くださいませ。

ココロよしざき動物病院 H