こんにちは!
寒さが厳しくなる冬、猫ちゃんの健康に気をつけたい季節です。
特にこの時期に増えるのが「血尿」や「尿閉」といった尿トラブルです。
猫ちゃんの命に関わることもあるので、早めの対応が重要です。
今回は、冬に増える猫ちゃんの尿トラブルについてお話します。
猫の血尿の主な原因
血尿の原因はさまざまですが、特に以下の3つが多く見られます
①膀胱結石
食生活の偏りや尿の濃縮によって膀胱に結石ができ、血尿を引き起こします。
結石は尿路を傷つけることがあり、痛みや頻尿を伴います。
②特発性膀胱炎
はっきりした原因が分からない膀胱炎で、ストレスが大きな引き金になります。
引っ越しや家族の変化、新しいペットの加入、寒さによるストレスなど、
些細な変化でも猫ちゃんには大きなストレスになることがあります。
③細菌性膀胱炎
細菌の感染が原因で膀胱に炎症が起こる病気です。
特に免疫力が低下した高齢猫や持病のある猫ちゃんに多く見られます。
冬に尿トラブルが増える理由
冬場は寒さで活動量が低下するうえに、気温の低下により飲水量が減少しがちです。
その結果、尿量が少なくなり、膀胱内で尿が濃縮されてトラブルを引き起こしやすくなります。
また、暖房で部屋が乾燥していると、水分が体から蒸発しやすくなり、さらに尿量が減少します。これが尿路の健康に影響を与えるのです。
飼い主さんができる予防法
ここでは飼い主さんがお家でできる尿トラブルの予防法についてご紹介します。
①飲水量を増やす工夫をする
新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。
また、猫ちゃんたちはわざわざ水飲み場に行くことをめんどくさがる傾向にあるので、
お水を口元に持って行き、飲水を促してあげましょう。
猫用の循環式水飲み器を使うのも効果的です。
流れる水を好む子達が多いので、循環式の水飲み器を使用するのも良いでしょう。
あとはウェットフードを取り入れるのもおすすめです。
水を飲むことが難しい場合、水分を含んだウェットフードを使うことで、
食事と一緒に水分を摂取することができます。
②寒さ対策を徹底する
猫ちゃんが暖かく過ごせるように環境を整えましょう。
暖房やホットカーペットなどを使用し、冷たい床に長時間座らせないようにしましょう。
猫ちゃんは元々砂漠地域出身の生き物で寒い環境は苦手な子が多いです。
室温としては27~28℃ぐらいを保つようにし、湿度も下がり過ぎないように加湿器などを使用し適切に保ちましょう。
③ストレスを軽減する
猫ちゃんはストレスにより膀胱炎を起こしやすい動物です。
特に年末年始は親戚が集まったり、ご家族が旅行に出かけお留守番をする時間が増えるなどして、猫ちゃんにとってはストレスが溜まるイベントが多くなる時期でもあります。
猫ちゃんがストレスを感じないようにするために静かで落ち着けるスペースを作ったり、
飼い主さんの生活リズムをできるだけ一定に保つように心がけましょう。
こんな症状が出たらすぐに動物病院へ
以下のような症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
・トイレで何度も力むが、尿が出ない
・血尿が見られる
・元気がない、食欲が落ちている
・お腹を触ると痛がる
尿閉(尿が出ない状態)は命に関わる緊急事態です。
丸一日尿が出ない状態が続くと、最悪の場合は命を落としてしまいます。
放置せず、すぐに動物病院を受診してください。
おわりに
猫ちゃんの尿トラブルは、冬場に特に増えます。
日頃から飲水量や生活環境に気を配り、早めに異変に気づけるようにしてあげましょう。
当院では、猫ちゃんの尿トラブルについてのご相談も随時受け付けていますので、
お気軽にご連絡ください!
あなたと猫ちゃんがこの冬も快適に過ごせますように。
ココロよしざき動物病院 Y