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胆管閉塞
こんにちは
院長のHです。
ワンちゃん、ネコちゃんに胆嚢のトラブルは非常に多く、悪化した場合は胆管閉塞や胆嚢破裂につながるケースが多くあります。
そうなってしまう前にお薬で治療したり、摘出するケースもありますが、突然破裂してしまったり閉塞してしまうケースもあります。
今回はその1例です。9歳のチワワさん(写真はイメージです)
ぐったりして食欲廃絶、嘔吐するという事で来院されました。
血液検査では肝パネルが軒並み上昇しておりました。
超音波検査では胆嚢粘液嚢腫を疑いました。
総胆管(赤線)は10㎜と重度に拡張しておりました。
これは胆管閉塞の可能性が非常に高く、命の危険がある状況です。
その日のうちに緊急手術を行いました。
黄疸によりお腹の皮膚はやや黄色くなっています。
胆嚢を切除し、総胆管の閉塞を解除し、命は取り止めました。
数日入院ののち、無事に退院することができました。
胆嚢破裂、胆管閉塞はいざなってしまうと手術をしても助からないケースがあるので、
健康診断を行い早期発見、早期治療することが重要です。
ココロよしざき動物病院 H
早期発見のために
心室中隔欠損
こんにちは
院長のHです。
今回はブリーダーさんから来た0歳1カ月のワンちゃんの心室中隔欠損症(VSD)の症例です。
ワクチン接種の際に心臓に雑音が聴取されました。心エコー図検査をしたところ、心室中隔欠損症(VSD)2型である事が分かりました。
心室中隔欠損症(VSD)とは生まれつき右心室と左心室の隔壁の穴が開いてしまっているため、短絡血流がおこるという病気です。
上は短絡血流の波形です。5m/sあるので肺高血圧症にはなっていなさそうです。この症例は心拡大が無いので治療の必要はなく、成長とともに自然閉鎖を待つことになります。
しかし短絡量が多い場合は外科手術を考慮します。
この病気は肺血流が増えてしまうので、肺高血圧症になってしまっている場合はその治療が必要になります。
若齢のワンちゃんに起こる心臓病は先天的な奇形が多いです。最近はペットショップに来る前にしっかり聴診されて来るケースが多いので殆ど見なくなりましたが、ブリーダーさんやお家で生まれた子は注意が必要です。
ココロよしざき動物病院 H
椎間板ヘルニア
こんにちは
院長のHです。
今回は手術画像が入っているので苦手な方はご注意くださいませ。
また椎間板ヘルニアの話題です。
前回BLOGでご紹介したGrade5のワンコは術後、時間はかかったものの左足の麻痺は改善し、不完全なりにも歩行可能となりました。
日々、椎間板ヘルニアのワンコは多く診ていますが、麻痺が強く出ているようなGradeが高いケースはやはり手術でなければ治すことができません。
今回のわんこはGrade4。すなはち痛みはかろうじて感じるが全く動かすことができない麻痺の状態です。もちろん自力で排尿、排便もできません。
MRI検査で病変を特定し、片側椎弓切除術をすることとなりました。
赤矢印のように骨を削り、圧迫しているヘルニアを取り出します。
切除されたヘルニアです。取り出してみるととても小さく感じますが、このせいで重度の麻痺が起こっていたのです。
手術は無事に乗り越えました。これからはリハビリが始まります。長くなるかもしれないけども頑張ろう!
追加‥
後日しっかり立てるようになりました。
超音波検査
こんにちは、院長のHです。
超音波検査では腹部及び心臓に問題がないかを検査できます。
上は脾臓の腫瘍です。分かりにくいので線でなぞるとこのような感じです。
およそ1cmと小さいですので、超音波検査をしない限りは発見できません。
上はおよそ1cmの膀胱の腫瘍です。
膀胱の腫瘍はカテーテルで腫瘍細胞の採取を行い、良性か悪性かを判断します。
上の症例はどれも一切の症状はございませんでしたが、健康診断で偶然発見することが出来たケースです。
なので、
どんな病気でも早期発見、早期治療が一番ですので超音波検査での健康診断は非常にお勧めです。
ワンちゃん、ネコちゃんの病気の進行はヒトよりも3〜4倍と圧倒的に速いですので定期的な健康診断を!
お気軽にご相談くださいませ。
予防の季節
こんにちは!
毎年恒例のフィラリア検査と狂犬病のワクチン接種の時期ですね!
フィラリアとはフィラリアにかかった蚊が犬を刺す事で移る病気です。
最近は地球温暖化が進み蚊が活動する時期もだんだんと長くなっています。
室内飼いのわんちゃんもフィラリアにかかってしまいます。予防薬を飲んでしっかり予防しましょう!
※お薬の処方は採血をする検査が必要です
フィラリア検査で使った血液を使ってプラス1500円で血液検査の健康診断も可能です!
動物は人よりも早く歳をとっていくと言われています。なのでシニアの子はもちろん、健康な子も年に1回は検査をおすすめします。ご希望の方は是非お申し付け下さい!
しかし、今は新型コロナウイルスが流行っていますので落ち着いてからでも構いません。
日々、不安な中の生活になりますが、みなさまも体調には気をつけてください!
ココロよしざき動物病院 Z
SDMA
こんにちは
院長のHです。
今回は腎臓病の早期診断に用いるSDMAをお話ししたいと思います。
腎臓病はワンちゃん、ネコちゃんともに非常に多い病気です。
簡単に言うと尿が濃縮できなくなり毒素が排出できなくなる病気です。
従来では腎臓病の診断には昔からBUN(尿素窒素)、Cre(クレアチニン)が血液検査で用いられていましたがこれらは腎臓の75%がダメージを受けないと異常値として出ませんでした。
すなはち腎臓全体の75%が傷害されないと異常なしと認識してしまっていた可能性があったのです。
しかしここ最近、早期診断のマーカーであるSDMAが登場し、腎臓の25%~40%が傷害された時点で検出することができました。
これにより腎臓病を従来より数ヶ月~数年早く診断し、早期に治療することが可能となりました。
画像はIDEXX HPより
以前は外注検査のみで結果に10日程度時間が必要でしたが現在は院内で迅速に結果を得ることが出来るようになりました。
腎臓病の症状は
①尿量、飲水量が増える
②尿が薄くなる
③食欲、元気が無くなる、やせてくる 等です。
ご心配な方はお気軽にご相談くださいませ。
手術実績を更新いたしました。
こんにちは
院長のHです。
今年もフィラリア予防のシーズンが近づいてまいりました。
近年は蚊の発生時期が早くなっているため5月1日には予防薬の投与を開始した方がいいかと思われます。
マダニにより媒介されるSFTSの発生も問題となっております。マダニ予防もお忘れないようにお願い致します。
お早めにご相談くださいませ。
手術についてのページにおいて
当院における手術実績を掲載いたしました。
http://ah-cocoro.com/infertility/
医療機器の導入やスタッフの増加により多くの手術に対応可能となりました。
どうぞご覧くださいませ。
ココロよしざき動物病院 H
口腔の腫瘍
こんにちは
院長のHです。
今回ご紹介するのは口に悪性腫瘍が出来てしまったワンちゃんです。
はじめは口に腫れや出血があるということでご来院され、しこりが発見されました。
その後採取した組織での病理検査結果は「悪性黒色腫」すなはちメラノーマと呼ばれるものでした。
悪性黒色腫は非常に転移や再発をしやすいがんですが、幸いCT検査の結果肺転移はありませんでした。
外科手術が主な選択肢となりますが、外科手術を行う場合は顎の骨ごと切除することとなります。
放射線治療も選択肢のひとつです。低分割放射線治療といって週一回の照射となりますので、毎週放射線治療装置のある病院まで行っていただくこととなります。
※画像は岐阜大学動物病院
このワンちゃんは外科手術が適応となり、下顎部分切除術が行われました。
ドリルを使っての切除となりました。
高齢ということでしたが手術を無事に乗り切ってくれました。術後もあまり外貌に変化は無く、摂食も問題なく、今のところ転移や再発も無く元気に過ごしております。今後は転移や再発が無い事を祈りつつ、定期チェックをしてゆく形となります。
最近は腫瘍の症例が増えています。完治が望めないケースも多く、治療方針の決定には非常に時間がかかります。
治療の選択肢も多岐に渡り、どれが正解ともいえない状況も多いです。飼い主様(ワンちゃん含め)、当院スタッフの二人三脚で理想的な治療方針を決定してゆこうと思います。
お気軽にご相談くださいませ。
ココロよしざき動物病院 H