皆様こんにちは。
最近は耳のトラブルを非常に多く見る機会が多く、
難治性の外耳炎・中耳炎に対して麻酔下での耳道洗浄、鼓室胞洗浄をすることも非常に多いです。
そもそも
ワンちゃん、ネコちゃんも耳のトラブルが多い理由は
犬や猫の耳道は人と違ってL字に曲がっており奥まで見えないからなんです!
(VirbacJapanより)
こういった構造上の理由により、耳の奥に潜んでいる問題が見過ごされることが多くあります。
ワンちゃん、ネコちゃんは言葉では表現しませんが、外耳炎が慢性化して悪化すると痒みや違和感はもちろん、頭痛がしたり、攻撃的になることもあるようです。
耳垢が多くなって悪臭を放つようになって気づいたころにはかなり進行してしまっていることが多いですが、
耳鏡(ビデオオトスコープ)により早期発見できるようになって参りました。
正常な鼓膜ですが、鼓膜に毛が刺さってます。これが本人にとってどこまで違和感があるかは分かりませんが、人だとガサゴソ違和感があると言われているようです。ひどい場合は「刺毛性鼓膜炎」になってしまいます。
一方で下は中耳炎の耳です。鼓膜が破れ、チーズ様の耳垢の塊が中耳を占めています。これは簡単に取り除くことはできませんし、こうなってしまえばいくら点耳薬をしても治りません・・・
カテーテルで洗浄してゆきます。洗浄液を灌流させながらひとつひとつ剝がしてゆきます。デリケートな場所なので慎重に行います。
綺麗な鼓室胞になりました。ここまでやるには相当な時間がかかります・・・・これでようやく抗生物質が有効に使えるようになります。
今まで耳を気にしたことのない子でも、特に臭いなどのない子でも定期的に確認することをお勧めいたします。
耳鏡(ビデオオトスコープ)で耳の中を見るだけなら基本的に麻酔は必要ございません。
お気軽にご相談くださいませ!
ココロよしざき動物病院 林