すごく食べるのに痩せる!?

みなさまこんにちは。

院長のHです。

私は猫を2匹飼っているのですが、ついに10歳になりました。

ついこの間まで小さい子猫だったのに・・・歳を取るのはあっという間ですね。

★「猫の甲状腺機能亢進症」について

猫が高齢になると発症しやすい病気の一つに「甲状腺機能亢進症」があります。

初期の症状として、行動が活発になったり、食欲が増していくが痩せていくといった一見病気のサインとは考えられにくい症状が現れる病気です。

猫の甲状腺機能亢進症とは

「甲状腺」の機能が「亢進」つまり活発化してしまう病気です。甲状腺は身体の代謝を活発にするホルモンを分泌していて甲状腺機能亢進症になるとこの甲状腺ホルモンの分泌が増加します。そのため体の代謝が亢進してゆき、様々な症状を引き起こします。

【どんな症状を引き起こす?】

甲状腺は頸部の甲状軟骨(のどぼとけ)のすぐ下にある小さな組織で1対あります。甲状腺機能亢進症は片側または両側の甲状腺が大きくなりホルモンが過剰に分泌される病気です。そのため活発になる、落ち着きがなくなる、食欲が増進する、痩せていくなどの症状が見られます。興奮しやすくなることから目がぱっちり開いていることも多く、よく鳴くようになり、鳴き声も大きく叫ぶような鳴き方で夜泣きも見られることもあります。甲状腺

[甲状腺ホルモンとは]

頸部にある甲状腺が産生するホルモンで、代謝、体温、心拍数、消化器機能など体の大切な機能を調節します。kaisetsuneko1

(原因は?)

甲状腺機能亢進症は甲状腺の細胞が以上に数を増やしてしまうことで起こります。甲状腺の腫瘍化がわかりやすい例ですが、多くは良性で悪性のものは2%未満と言われています。皮膚の上から触ってわかることもあります。

{治療は}

 現在主に外科療法と内科療法がおこなわれています。

①外科療法

外科療法は根本的な治療法で手術によって異常な働きをしている甲状腺を摘出してしまいます。この時の状況により、両方の甲状腺を摘出することや片方だけの場合もあります。

※甲状腺を取ってしまっても大丈夫?

猫の場合甲状腺にくっついている上皮小体は残さなくてはなりませんが、両方の甲状腺を摘出してしまっても甲状腺機能低下症にはならないと言われています。

②内科療法

基本的に最初に選択される治療法です。抗甲状腺薬を用いて治療をしてゆきます。

お薬はホルモンを調節するお薬なので、その子それぞれで代謝量が違うため要求量が変わってきます。

また見た目ではわからない副作用が出ていることもあるのでお薬を始めてから2~3週間後に1回目、1回目の数値が安定していたら1か月以内に再検査をするという方法を取り薬の効果をしっかり判断してゆきましょう。