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獣医皮膚科学会学術大会で症例発表を行いました

先日、獣医皮膚科学会学術大会に参加してきました。

今回の学術大会のテーマは
「アトピー性皮膚炎の最前線から未来へ」
であり、アトピー性皮膚炎に関する最新の知見や、現在の治療の考え方について学ぶ貴重な機会となりました。

学術大会では、著名な先生方や皮膚科専門医の先生方による講演が行われるほか、
一般病院の獣医師が難治症例や珍しい症例について発表し、参加者同士で意見交換を行う場も設けられています。

今回、私は当院で受診された症例について発表を行ってきました。
学会での症例発表には、主に口頭発表ポスター発表の2つの形式があります。

口頭発表は、スライドをプロジェクターに投影し、決められた時間内で発表と質疑応答を行う形式です。
一方、ポスター発表は、症例情報をまとめたポスターを掲示し、興味を持って立ち寄ってくださった先生方に直接説明しながら意見交換を行う形式です。
掲示時間が長く、多くの先生方に見ていただけることが特徴です。

今回は、できるだけ多くの先生方からご意見をいただきたいと考え、ポスター発表を選択しました。

発表した症例は、抗がん剤治療中に難治性の皮膚病(壊死性遊走性紅斑)を発症したワンちゃんについてです。
明確な因果関係は断定できないものの、抗がん剤治療が発症のきっかけとなった可能性も考えられる症例でした。
さらに、皮膚病そのものも治療が難しい疾患であったため、診断や治療方針の検討に非常に苦慮したケースでした。

この症例のワンちゃんは、抗がん剤治療を継続しながら皮膚病とも闘った、非常にたくましい子でした。
皮膚科疾患に精通した先生方が集まる皮膚科学会の学術大会でも、

「この病気は難しい病気だけど、この子はすごく頑張ったね」
「同じような皮膚病を見たことはあるけれど、ここまで頑張った子は見たことがない」

といったお言葉を多くいただきました。

ガンという大きな病気を抱えた状況で、さらに難治性の皮膚病を併発し、どのような治療を続けていくか非常に悩んだ症例でした。
そのような中でも、飼い主様とワンちゃんが根気強く治療を続けてくださった経緯があったため、今回このようなお言葉をいただけたことを大変うれしく、またこの子が褒められたことを誇らしく感じました。

今回の発表を通して、多くの先生方から貴重なご意見や新たな視点をいただくことができ、非常に有意義な経験となりました。
日々の診療の中で悩む症例に対しても、学会という場で広く意見を伺うことで、より良い診療につなげていけることを改めて実感しました。

今後も学会参加や情報収集を通じて知識をアップデートし、学んだことを日々の診療にしっかり還元していきたいと思います。

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