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高血圧について

院長のHです。

高血圧は人には生活習慣病として良く知られている問題で、塩分の摂取や肥満、動脈硬化などが原因であるといわれていますが、

じつはワンちゃん、ネコちゃんにも高血圧症というものはあります。

ワンちゃんネコちゃんにおいてはヒトでの原因でなることはほとんどありません。おもに心臓病・ホルモンの病気・腎臓病などに起因して起こります。

血圧

 

高血圧による具体的な症状というのは特にありませんが、放置しておくと重大な問題を引き起こすことがあります。特にダメージを受けやすいのが脳・眼・腎臓および心臓で、血管の破たんなどを引き起こします。
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上の画像は高血圧症のネコちゃんの眼の網膜です。赤い出血箇所が見られます。血圧を下げるお薬で治療を行います。

IMG_6407一方でこちらは正常な網膜です。こちらのネコちゃんも当初重度な高血圧で網膜出血・網膜剥離を引き起こし視力を失いましたが、早期の投薬により改善し、視力を取り戻すことができました。

最高血圧が140mmHg以上の前高血圧のうちから治療をすることをお勧めします。定期的な血圧測定を行いましょう。

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椎間板ヘルニアとリハビリテーション

こんにちは

院長のHです。

「椎間板ヘルニア」はミニチュアダックスフントに非常に多い病気です。

ダックス特有の長~い背中の、腰あたりに好発するトラブルです。

背骨の間をつないでいるクッション材である椎間板の一部が上方に突出し、脊髄神経を圧迫しすることにより脊髄に障害を引き起こす病気です。

下の画像でいうところの赤いものがヘルニア、黄色いのが脊髄神経です。

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下は実際のCT画像ですが、赤矢印で示してある白い丸がヘルニアです。

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ある日突然下半身に麻痺が出るようなケースが多いです。痛みを伴う事も多く、重度な場合は手術で摘出を行います。

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これは実際に手術で摘出した髄核(ヘルニアの原因)です。P1190763

もともと麻痺が出ていたような重症度の高い子の場合は手術後にリハビリが始まります。P1190767

関節、筋肉が固まらないように膝や股関節、尻尾などの屈伸運動を行います。これはむくみの軽減などの効果もあります。

足先を軽くつまみ、引っ込め反射を誘発させ、神経を刺激してゆきます。

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麻痺の影響で足がすぐに裏返ってしまいますが、しっかり元通りに接地させて肉球が地面に着く感覚を思い出させます。

こういったメニューを毎日3回行います。

リハビリは長期に渡ることがありますので退院後はご自宅で行っていただくこととなります。

上の写真は実際に当院で手術した子です。発症した時は全く歩行困難でしたが、手術後2~3日でしっぽが動くようになってきました。我々スタッフもとてもうれしいです。これから段階ごとのリハビリメニューが待っています。また元気よく走れるように頑張ろう!

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SFTS(重症熱性血小板減少症症候群)について

こんにちは。

今回は感染症のお話です。

新聞やニュースにもなったのでご存知の方もおられるかもしれませんが、

本年6月にネコちゃんを診察した広島県の獣医師がネコちゃんの体液からウイルス感染症重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が感染するという事例がありました。その獣医師は治癒しましたが、ネコちゃんは間もなく亡くなりました。

一般的にSFTSウイルス感染症はマダニが主な感染源ですが、このように動物から感染した例も複数確認されています。

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SFTSウイルスを持ったマダニや感染した動物は兵庫県内でも確認されていますので今後、人への感染も注意が必要です。

ペットへの感染を防ぐためには

●ネコちゃんはなるべく外へ出さず室内で飼う

●ワンちゃんもネコちゃんもノミ・マダニ予防を徹底する

また、万が一マダニが付着した場合は素手で触らず獣医師に相談するようにお願い致します。

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新しいレントゲン装置を導入ました。

新しいレントゲン装置である

CanonのVPX-500B

を導入しました。

大容量X線管を搭載しており、

管電圧が上がり、短時間撮影が可能となり(シャッタースピードが短くなるイメージ)被ばく量も減少、呼吸および心臓の動きも影響をうけづらくなり、より観察しやすいレントゲン画像を得られるようになりました。

VPX500

高まる医療ニーズに応えるため、最近は医療器機を他にも多く導入していっており、決して広くはない院内のスペースがどんどん無くなっていってますが、このレントゲン装置は省スペースであるため非常に助かります。VPX-500-2

 

骨折や靭帯損傷などの運動期疾患はもちろん、肺炎や心臓病などにもレントゲン検査は必須となっております。以下は当院における一例です。Xray20000これは心臓病による肺水腫により呼吸困難となったネコちゃんです。肺が白くなっています。

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4日間の入院治療後は肺は良化し、呼吸も問題なく退院しました。

Xray0000

これは6カ月のワンちゃんです。高いところから落下し、手を骨折しててしまいましたが、プレート固定により歩けるようになりました。

レントゲン検査は被ばく量も少なく、麻酔も不要なので健康診断にも気軽に行う事が出来ます。

お気軽にお問い合わせくださいませ。

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内視鏡下の異物除去


こんにちは

院長のHです。

最近、内視鏡が大活躍するケースが非常に多いです。

その中で最も多いのが異物の誤食です。

ワンちゃんを飼っている方は一度はヒヤッとしたことがあるのではないかと。内視鏡もしうっかり異物を飲み込んだとしても内視鏡を早期に行えば開腹せずとも胃内異物を摘出することが出来る場合があります。

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これまで内視鏡により多くの物を摘出してきました。焼き鳥の串やケンタッキーの骨、子供のおもちゃやプラスチック片、梅干しの種やビニール、ガーゼや湿布、100円玉など挙げだすときりがないです。
内視鏡2

これらはどれも腸に行くと詰まったり刺さってしまう危険なものばかりで、そうなってしまうと緊急開腹手術になります。

まずは催吐処置といって吐き気を催す薬で嘔吐させるのですが、尖ったものは危険なのでそれも行う事が出来ません。

胃内にあるうちに内視鏡で摘出する必要があるのでなるべく早くご相談頂く事が重要かと思います。

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大腿骨頭壊死(レッグペルテス病)

こんにちは、院長のHです。

10歳以上のワンちゃんには関節炎が多いというTopicをお話ししましたが、

若いワンちゃんに特有の関節のトラブルもあります。

それは大腿骨頭壊死(レッグペルテス)病です。

6か月齢などの若齢の小さいワンちゃんに比較的起こりやすい股関節のトラブルです。

ある日痛みが出て、びっこを引いて気づくことが多いです。

触診では、伸ばした時に痛むケースが多く、すでに筋肉が落ちてしまっている事もあります。

遺伝も示唆されていますが、原因は不明です。

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このレントゲンの向かって☜左側の股関節がレッグペルテス病であることがわかります。

拡大すると
Xray0001赤のラインの骨頚が太くなっています。レントゲン上ではごくわずかな異常しか見られない場合も多く、診断に悩むケースもあります。

手術で骨頭切除を行う事となります。Xray30001

P1130719当院で手術したケースです。摘出した骨頭はすでに割れておりました。

レントゲンでの変化はわずかですが、実際骨頭を摘出してみるとここまで崩壊していることが多いのです。

レントゲンだけで手術のご説明しても飼い主様には非常にイメージしづらく、手術のご決断がしづらいところだと思いますのでこの崩壊した骨頭の写真をお見せして手術の必要性をご説明することとしています。

このワンちゃんは無事、元気に歩くことができるようになりました。

若いワンちゃんに特有の大腿骨頭切除(レッグペルテス病)のお話でした。

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犬の痛みに気づいてあげましょう

皆様こんにちは

階段を昇り降りする際に足が腰がいたた・・・など

関節炎にお悩みの方は多くおられると思います。

それはワンちゃんに関しても同様で、

10歳以上の大型犬の74%、小型犬の33%に関節炎があるといわれています。

これは非常に多い数字です。

変形性関節症(日本大学の調査より)

ワンちゃんが「あまりよく寝れてない」、「段差を嫌がる」など様々な兆候が見られる場合痛みを訴えている可能性があります。 慢性痛

 

「歳だから仕方ないかな」と思いがちですが、痛みが無くなると元気になるケースもございます。

おうちにいるワンちゃんたちの姿を思い出しながら、上記の8つのポイントに関してチェックしてみてください。(動物の痛み研究会HPより)

当てはまる項目がある場合はお気軽にご相談くださいませ。

甘噛みの対処

こんにちは 院長のHです。 最近、仔犬の甘噛みに関するご相談が多く、 こちらに軽くですが解説させていただきます。 026028 029 027 030

晴れた休日

こんにちは! ずっと雨が続きましたがやっと晴れた休日に 武庫川の河川敷に行ってきました!102E3BFD-E764-4F2E-B2F4-01B75BA26D52 気温も湿気も高く熱中症には気をつけ 水分補給や休憩をとってのびのびといっぱい 走りまわって、 ノミダニ予防も忘れずにとても 楽しむことができました!! 49FA0E31-6251-40FA-A25B-113C38FC46D6 少し疲れましたがおすすめの場所です!! ココロよしざき動物病院J

胆管閉塞

こんにちは

院長のHです。

ワンちゃん、ネコちゃんに胆嚢のトラブルは非常に多く、悪化した場合は胆管閉塞や胆嚢破裂につながるケースが多くあります。

そうなってしまう前にお薬で治療したり、摘出するケースもありますが、突然破裂してしまったり閉塞してしまうケースもあります。チワワ, 犬, ペット, 小, かわいい, レース, 毛深い, 毛皮

今回はその1例です。9歳のチワワさん(写真はイメージです)

ぐったりして食欲廃絶、嘔吐するという事で来院されました。

血液検査では肝パネルが軒並み上昇しておりました。

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超音波検査では胆嚢粘液嚢腫を疑いました。

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総胆管(赤線)は10㎜と重度に拡張しておりました。

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これは胆管閉塞の可能性が非常に高く、命の危険がある状況です。

 

その日のうちに緊急手術を行いました。

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黄疸によりお腹の皮膚はやや黄色くなっています。

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胆嚢を切除し、総胆管の閉塞を解除し、命は取り止めました。

数日入院ののち、無事に退院することができました。

 胆嚢破裂、胆管閉塞はいざなってしまうと手術をしても助からないケースがあるので、

健康診断を行い早期発見、早期治療することが重要です。

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