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腹腔鏡手術

みなさまこんにちは。

すっかり暖かく、気持ちのいい季節となりました。

寒い季節から一変、

ワンコと青空の下を散歩するのは気持ち良さそうで非常にうらやましいです。(私はワンコを飼っておりませんので・・・)

ところで、今回は近年注目されている

腹腔鏡手術について解説いたします。

当院は特色として耳鏡内視鏡などカメラを用いて低侵襲な治療することが多いですが、内視鏡

腹腔(お腹の中)にカメラを入れて手術をする腹腔鏡手術も行っております。

避妊手術(卵巣子宮摘出)において主に用います。

従来の避妊手術は開腹手術で卵巣子宮をけん引し、体外に出して切除するものでしたが、

腹腔鏡手術は腹腔内で映像を確認しながらすべての手術を完結させます。

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体外に臓器を出すことなく、けん引することなく終えるので、非常に正確で安全、かつ清潔な手術と言えます。

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もちろん小さな傷で行うことが出来ることもメリットです。

ラパロ傷

 

 

 

 

人間だと次の日から仕事ができる場合もあるようです。ワンコは散歩が仕事ですかね!?

※適応症例には限りがあり、ご希望に添えない場合もありますので、ご希望の方は個別でご相談くださいませ。

 

ココロよしざき動物病院 H

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猫の心臓病について

みなさまこんにちは。

年に1度のワクチンで来院される猫ちゃんが増えてきました。
そこで今回は猫に最も多い心臓病についてお話したいと思います。

〇どんな心臓病?
猫ちゃんで最も多く最も注意しなくてはいけない心臓病は、「肥大型心筋症」です。
この病気は名前の通り、心臓の筋肉 (心筋)が肥大して厚くなってしまい、全身に血液を送る能力が弱くなってしまう病気です。
この病気は遺伝子が関連していると言われており、患っている猫のほとんどは生まれつき持っていることが多いと言われています。

肥大型心筋症3
(日本心臓財団より抜粋)

 

〇聴診でもわからないことがある?
猫ちゃんが来院した際、我々獣医師は聴診にて異常な音 (心雑音)がないかを確認しています。
しかし、猫の心筋症はたとえ患っていたとしても軽度であれば、聴診では気づかないこともあると言われており、見た目上健康かつ聴診も正常な猫の内、14.7%で肥大型心筋症と診断されたという報告もあります。

〇診断方法は?
では、どうやって診断するのかというと、肥大型心筋症は主に心臓の超音波検査にて心筋が肥大しているのを確認することで診断を行います。また、肥大したことで血液の流れが悪くなってないか、心臓に負担がかかっていないかも確認できます。

〇肥大型心筋症は危険?
基本的に無症状であることが多く、心筋症に気づかずに生涯を終える猫もいると言われています。
しかし一方で、進行してしまった場合、肺に水がたまって呼吸困難に陥ったり、心臓でできた血栓が後ろ足の血管に詰まることで後ろ足の神経麻痺が起きたりと重篤な症状になることもあります。また、無症状でも進行を抑えるために内服が必要な場合もあり、早期の発見が重要になってきます。

〇健康診断では超音波検査もご一緒に
肥大型心筋症は超音波検査しない限りは重篤になるまで発見されない病気です。
猫ちゃんを飼われている方で一度確認してほしいという方はお気軽にご相談ください。
ただし、検査には時間を要することもあるため、実施することが決まっている方は事前のご予約をお願いいたします。

 

ココロよしざき動物病院 F

 

 

尿路結石〜隠れたトラブル〜

皆様こんにちは。

今月はたまたまですが、尿管結石の手術が相次ぎました。

病院あるあるですが、同じ病気って何故か続くんです。不思議ですね・・・

 ここで尿管結石とは・・・

尿路に結石が出来る病気の一つで、

 尿管

尿管(腎臓から膀胱へつながる尿路)に詰まる石のことです。

人間だと背部痛やわき腹の痛みを伴い、その痛みの強さの余り、救急車を呼ぶこともあると言われています。

犬や猫でも「痛い!」とは言わないものの、症状は同様であると考えられています。「なんだか元気がない」「食欲が少しおいている」といった稟告から、「まったく普段と変わらず元気だよ!」とおっしゃる方まで様々です。

普段一緒にいる飼い主様でもなかなか気づきづらいのが現状です。

結石の大きさによっては腎機能の低下を伴う場合もありますので非常に注意が必要です。

若いワンちゃん、ネコちゃんでもよく見られますので、エコー検査やレントゲン検査で定期検診をお勧めいたします。

ちなみに 原因で最も多いのは「シュウ酸カルシウム」です。これも人とまったく同様でございます。

早期発見であると食事により悪化を防げる可能性がありますので、定期的な検査をお勧めいたします。

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フィラリア症予防の季節が始まります。

皆さまこんにちは。
最近は外も暖かくなってきて春を感じるようになってきましたね。
暖かくなってくると花見などでわんちゃんと外に出かける機会も多くなってくると思います。そんなとき注意したいのは、蚊から感染するフィラリア症です。
今回は毎年のことではありますが、フィラリア症予防についてお話したいと思います。

フィラリア症とは
フィラリアとは寄生虫の一種で、犬と蚊を行き来して生息しています。
フィラリアを持っている蚊に刺されてしまとフィラリアが犬の身体の中に移動し、感染してしまいます。

フィラリアに感染する犬

犬に感染したフィラリアは右側の心臓や肺へ続く血管 (肺動脈)に寄生し、無数の幼虫を産みます。最初の数か月は無症状のことも多いですが、日数を重ねるにつれて呼吸器や心臓に悪影響を与え、発熱・咳・呼吸困難などの症状を引き起こします。フィラリアのエコー

(心臓の超音波画像)

フィラリア予防薬
フィラリア予防は、食べるタイプ (毎月)注射タイプ (年に1回)の2つがあります。
注射タイプは本院では10月に希望者一斉注射を行っていますので、お悩みの方はご相談ください。

 

予防期間
食べるタイプの予防薬は接種1か月前から接種日の間の蚊に刺された場合の感染を防ぎます。
蚊の活動期間は4月から11月と言われていますので、基本的には5月1日から12月1日の8か月間予防を行うのが望ましいとされています。
注射タイプは接種後1年間の感染を防ぎます。

フィラリア予防の前には必ず検査を
フィラリア予防の方法をご説明いたしましたが、あくまでこれは予防であり、既に感染している場合には治療を行うことになります。
もし感染している子に知らずに予防薬を与えてしまった場合、フィラリアが急激に大量に死ぬことでアナフィラキシーショックを起こすことがあり、大変危険です。
検査は簡易キットで来院当日に結果を知ることができるため、フィラリア予防薬を始める前には必ず検査をしてあげてください。

 

フィラリア症は感染しても無症状が多く適切な治療をすれば完治することも多いですが、気付かずに重症化してしまうと、お薬での治療もできず最悪手術になってしまうことがあります。予防はかかさず行う方が良いでしょう。

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ビデオ耳鏡のアップグレード

みなさまこんにちは

院長のHです。

当院、耳科における患者様が非常に多く、耳鏡検査での治療が当院の特色の一つでもあります。

これまではスマホで接続して確認しており、非常に手軽でよかったのですが、

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中耳炎の治療や鼓膜近くのデリケートな部位のケアをするにあたり、「光量が足りない・・・」「もう少し高画質で見たい」とかねがね思っておりました。

そこで、ハイビジョンモニターを導入致しました!

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腹腔鏡手術装置(ラパロスコピー)を導入したのでその画面や光源装置を利用して耳鏡検査も行えるようになったのです。

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ちなみに腹腔鏡手術装置「ラパロスコピー」とはカメラをお腹の中に入れてカメラで手術を行う装置です。

腹腔鏡手術のイラスト

(画像は国立がん研究センターHPより)

人医療でもごくごく近年行われ始めた手術法です。体に負担をかけないやさしい医療ですね。

消化管には内視鏡、耳には耳鏡、お腹の中は腹腔鏡(ラパロ)と、なんでも細いカメラで見る凄い時代ですね!!

適応症例には限りがありますので担当の獣医師にご確認ください。

ココロよしざき動物病院 H

大型犬はご注意を

みなさまこんにちは。
今回は大型犬の飼い主様方が知っておくべき病気について書きたいと思います。
それは、胃拡張捻転症候群という病気です。
この病気は、胃にガスと液体が貯留しパンパンに膨らみ (胃拡張)、そして、拡張した胃が捻じれる (胃捻転) ことで血流障害などが起きてショック状態に陥ります。そのため、非常に緊急性が高いです。胃拡張

○注意しなければいけない犬種
胸の深い大型犬
◇ジャーマン・シェパード  ◇セント・バーナード  ◇アイリッシュ・セッター
◇ゴールデン・レトリーバー ◇ラブラドール・レトリーバー
(※稀ですが他の犬種や猫でも起こることはあります)

○大型犬のこんな症状には敏感に!
・食後1~4時間後、急に具合が悪くなった
・お腹がパンパンに膨れている
・吐きたそうにしているが、吐けない
・呼吸が苦しそう胃捻転

○治療法は?
レントゲン検査で胃にガスがたまっているのを確認したら、皮膚から胃に針を刺す、もしくは胃内チューブを入れてガスを抜けるだけ抜きます。そして、基本的にはショック状態に陥っていることが多いため、点滴を流して状態を安定させます。
状態が安定してきたら全身麻酔をかけて、手術を行い、胃の捻じれを解除、そして再発防止のために胃をお腹の壁に固定します。

○大型犬を飼っている方は予防しよう
胃拡張捻転を起こしてしまうと、手術が成功したとしても亡くなってしまう確率は高いと言われています。そのため、胃拡張捻転を起こさないのが一番重要になってきます。
よって胸の深い大型犬を飼っている方は以下の予防を知っておくと良いでしょう。

・食後の後2~3時間は激しい運動は避ける
・一度に大量のご飯を与えず、一日3~4回に分ける
・消化の良いご飯を与える

胃拡張捻転症候群は発症から治療までが短ければ短いほど生存確率は上がると言われています。少しでも気になる方はすぐに病院までご相談ください。

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角膜ダイヤモンドバー

みなさまこんにちは。

院長のHです。

角膜ダイヤモンドバーを導入致しました。S__15425541

Alger brushⅡという眼科専用のドリルですね!

海外にしかないものなので、輸入致しました。

犬の目の角膜上皮欠損/びらん(SCCEDs)というなかなか治らない角膜の問題がありまして、、角膜が剥がれて、硝子膜の形成により正常な上皮化が起こらないというものです。その硝子膜を切除するためのものです。

ざっくりいうと「角膜表面の悪いところを削り取る」機械です。

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今後のSCCEDsに対する治療で強い味方となりそうです。

ココロよしざき動物病院 H

 

 

犬の糖尿病を知ろう

 

みなさま新年あけましておめでとうございます。
今年も1年よろしくお願いします。
今回は犬の糖尿病についてお話したいと思います。

○糖尿病とは
インスリンという本来血糖値を下げてくれるはずのホルモンが欠乏する、もしくは効かなくなることにより、尿に糖が漏れ出てしまう程血糖値が高くなってしまう病気のことを言います。
血糖値が高い状態が続いてしまうと、ケトアシドーシスという緊急治療が必要なほどの状態になってしまいます。

○糖尿病の型
ヒトの糖尿病では、よくⅠ型とⅡ型に分けられ、Ⅰ型は自己免疫性に、Ⅱ型は肥満などの生活習慣病によって引き起こされるものと言われています。
犬でも肥満の子は糖尿病になりやすいとは言われていますがⅡ型はほとんどなく、Ⅰ型で自己免疫によって膵臓という臓器が破壊されることにより起こります。

 

○糖尿病の症状
糖尿病
・多飲多尿*  ・多食 ・体重減少
・尿をなめる ・白内障
(* 多飲は一日に1kgあたり100mL以上。
これは60kgの人が1日6L水を飲むのと同じ)

ケトアシドーシス
・ぐったりする ・食欲がなくなる ・嘔吐
・脱水 ・異常に深く大きな呼吸
・甘酸っぱい臭いが口からする

糖尿病症状

以上が糖尿病に関連する症状です。
ケトアシドーシスのような明らかに状態が悪そうなときはもちろんですが、最近水を常に欲しがる元気に食べているはずなのにどんどん痩せていくなどの症状がある場合も一度病院までご相談ください。

 

○糖尿病になったら・・・
人の糖尿病治療は食事や内服薬で管理する場合がたいていですが、前述したとおり犬の糖尿病は生活習慣病ではありません。そのため基本的に食事や内服薬のみでは治りません。よって、犬の場合はインスリン注射による治療が必須になります。

注射

インスリン治療は飼い主様の協力が必須!!
糖尿病の治療を行うためには、血糖値に影響を与えてしまう食事を管理する必要があります。インスリン治療の食事管理とは、毎日同じ時間同じご飯同じ量あげる必要があるうえに、注射する必要もあり、飼い主様の負担は大きくなります。
これらの理由より糖尿病の子たちは他の病気以上に飼い主様の協力なしでは救うことができません。
僕たち獣医師は他の病気もちろん、糖尿病は一層飼い主様と共にわんちゃんたちを治療していきたいと考えておりますので、ご協力よろしくお願いします。

 

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前十字靭帯断裂について

みなさまこんにちは。

めっきり寒くなって参りましたがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

前回はF先生が膝蓋骨脱臼について解説させていただきました。

今回は前十字靭帯断裂についてご説明させていただきます。

前十字靭帯断裂は膝の病気です。犬に非常に発生が多く、運動中に突然痛がるように発症することが多いです。

特に膝蓋骨脱臼のワンちゃんに発症が多く、10~20%程度に起こると言われています。

もしこれになってしまったら完全に足を挙上し、歩行困難なほどの痛みが続きます。

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前十字靭帯はひざの骨がずれないように固定する役割があるのですが、断裂してしまうと膝がグラグラにズレてしまうんです。

完全な断裂でなければ手術しないこともありますが、殆どの場合手術が必要になることが多いです。

当院でも今年一番多かった手術の一つではないかと思います。

12月はほぼ毎週ひざの手術をやっていた気がします。。colibri

 小型犬に、特にトイプードル、ヨーキーさんに多いと言われています。

気になる場合はお早めにご相談くださいませ。

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わんちゃんがよく言われる膝蓋骨脱臼ってどんな病気?

みなさまこんにちは。

犬を飼われている多くの方が膝蓋骨 (膝のお皿) が脱臼する膝蓋骨脱臼がありますねと言われた経験があるのではないでしょうか。
それくらい膝蓋骨脱臼は犬に多い病気なのです。今回はそんな膝蓋骨脱臼についてお話したいと思います。

○膝蓋骨脱臼とは?

先程も述べたように膝蓋骨が内側あるいは外側にずれる病気です。
小型犬に多く、特にトイプードルで最も多く、病院に来るトイプードルちゃんのほとんどが膝蓋骨内方脱臼を起こしています。次いでポメラニアン、柴犬が多いですが、それ以外の犬種でも多数見受けられます。

○膝蓋骨脱臼グレード分類
膝蓋骨脱臼には1~4のグレードに分類することができ、グレード・年齢・症状に基づいて獣医師は治療方針を決定します。

パテラグレード

○治療方法
グレードが2以下もしくは高齢で症状がなければ、治療をせずに経過観察でも十分です。
症状が軽い場合は鎮痛剤で管理することもありますが対症療法でしかありません。若い子でグレードが高い、もしくは年齢に関係なく症状がひどい場合は基本的に手術を行うことになります。手術では、滑車という膝蓋骨を納めている骨を削り、膝蓋骨がずれないようにします。

○膝蓋骨脱臼があると言われたら?
膝蓋骨脱臼は一度なってしまうと手術以外治す方法はありませんが、脱臼しないように予防したり、悪化させない方法はあります。
・カーペットやマットを敷き、フローリングなど硬く滑りやすい床をなくす。
・体重を増やさないようにする。
・散歩で段差や階段のない道をなるべく選択する。 など 
こういった細かい対策でも十分膝への負担を軽減することができます。膝蓋骨脱臼があると言われた方や、トイプードルなどの好発犬種を飼われている方は気をつけてあげてください。

膝蓋骨脱臼の手術は当院でも実施できますので、「そういえばスキップをよくするな」という方や「うちの子の膝は大丈夫だろうか」と心配な方は一度病院までご相談いただければと思います。

 

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