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腹腔鏡手術って何がいいの?

皆様こんにちは。院長の林です。

当院は腹腔鏡手術を始めてから4年目となりました。

手術件数は3桁となり、内視鏡外科学会にも参加し手技もある程度洗練されてきたと思います。

なかでも当院では「腹腔鏡での避妊手術」をよく行います。卵巣と子宮の摘出手術です。

通常の手術は皮膚を大きく切開しますが、腹腔鏡手術は小さな器具を挿入し、画面を見ながら手術を行います。P1440546P1440625

非常に傷は小さく、術後の痛みは比較にならないくらい軽いです。P1440633

 「そんなん無くても俺は小さい傷で手術できるで」自慢話をする人のイラスト(男性)

とおっしゃるドクターもおられますが(昔の私がそうでした・・・)

最近の報告では

小さい傷で手術すると必然的に卵巣堤索をギーーーーっと牽引する必要があり、それが術中、術後の痛みを起こすと言われています。

また、手術中の事故や問題が起こる理由も「無理に引っ張るから」であることが多いのです。

元気に家に帰って当然の避妊手術において事故があってはいけません!

「痛み」以外にも「安全性」においても優れている腹腔鏡手術

ラパロ画像非常におすすめです。

お気軽にご相談ください。

院長 林

 

犬の健康診断に『がんマーカー』を追加してみては?

今年から春の健康診断に犬のがんマーカーが追加されましたので、
犬のガンの早期発見をサポートする新しい血液検査「Nu.Q® Vet Cancer Test」についてご紹介します。

Nu.Q® Vet Cancer Test とは?

この検査は、血液中のヌクレオソームを測定することで、ガンの可能性を評価するものです。
ヌクレオソームとは、DNAがヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付きついたものであり、このヌクレオソームが高値を示しているということは、体のどこかで大量に細胞が壊れていることを意味します。

検査の特徴

・動物への負担が少ない:フィラリア検査や一般的な健康診断と同様に、血液を採取するだけで測定が可能です。
・スクリーニングとしての役割:この検査は、ガンの可能性を示唆するものですが、正常値であってもガンを完全に否定するものではありません。
・追加検査の推奨:数値が上昇している場合は、ガンが存在している可能性が高いため、レントゲン検査や超音波検査、場合によってはCT検査を行うことで、より詳細な診断が可能になります。

犬のがんマーカー

フィラリア検査や健康診断と一緒に!

愛犬の健康を守るために、フィラリア検査や健康診断を検討されている方も多いかと思います。
この機会に、ぜひガンマーカー検査もあわせてご検討ください。

特にシニア期に入ると、体の変化が見えにくくなることがあります。
定期的な血液検査で、病気の兆候を少しでも早くキャッチし、大切な家族の健康を守りましょう。

こんな時におすすめ
・シニア期(7歳以上)の健康診断の一環として
・ガンのリスクが高い犬種(例:大型犬、高齢犬など)
・過去に悪性腫瘍を患ったことがある犬
・体調不良の原因がわからない場合

費用について

この検査の費用は12,000円+税となります。
※2025年3月時点

当院では、先進的な検査技術を活用し、
犬の健康を守るために早期発見・早期治療に努めています。
気になる症状や健康診断についてご相談がありましたら、
お気軽にお問い合わせください。

Y

猫の慢性疾患による食欲不振・体重減少に新たな一手

みなさま こんにちは

最近は雪が降ったり路面が凍結したりとかなり厳しい寒さが続いておりますね

さて今回は題目にも書きましたが、≪猫の慢性疾患による体重減少≫に対して有効な内服薬が出ましたので、そのご案内です

IMG_0464エルーラ】という液剤のお薬です

有効成分はカプロモレリンといわれるもので、食欲増進効果や成長ホルモン分泌促進効果があるので、体重が減ってきたり食欲が落ちてきた猫ちゃんに投薬することで、食事量を増やし体重を増やす効果が期待されます

投薬は1日に1回でよいのですが、効果がみられるのは数日から数週間程かかるので、個体によっては効果がみられるまでに時間がかかるケースもあります

副作用としては2割ほどの猫に流涎(よだれの分泌行進)がみられることがありますが、この副作用は一時的なもので継続することで徐々に軽減されます

海外では何年も前から使用されてきたお薬なので、実績は十分にあるお薬です

しかし、このお薬はあくまで食欲の補助というのが目的なので、原因となっている病気そのものを治せる薬ではないということをご理解ください

詳しくは病院にて獣医師にご相談ください

 

ココロよしざき動物病院 V

冬に注意!猫の血尿・尿閉について

こんにちは!
寒さが厳しくなる冬、猫ちゃんの健康に気をつけたい季節です。

特にこの時期に増えるのが「血尿」や「尿閉」といった尿トラブルです。
猫ちゃんの命に関わることもあるので、早めの対応が重要です。
今回は、冬に増える猫ちゃんの尿トラブルについてお話します。

猫の血尿の原因

血尿の原因はさまざまですが、特に以下の3つが多く見られます

①膀胱結石

食生活の偏りや尿の濃縮によって膀胱に結石ができ、血尿を引き起こします。
結石は尿路を傷つけることがあり、痛みや頻尿を伴います。

②特発性膀胱炎

はっきりした原因が分からない膀胱炎で、ストレスが大きな引き金になります。
引っ越しや家族の変化、新しいペットの加入、寒さによるストレスなど、
些細な変化でも猫ちゃんには大きなストレスになることがあります。

③細菌性膀胱炎

細菌の感染が原因で膀胱に炎症が起こる病気です。
特に免疫力が低下した高齢猫や持病のある猫ちゃんに多く見られます。

冬に尿トラブルが増える原因

冬場は寒さで活動量が低下するうえに、気温の低下により飲水量が減少しがちです。
その結果、尿量が少なくなり、膀胱内で尿が濃縮されてトラブルを引き起こしやすくなります。

また、暖房で部屋が乾燥していると、水分が体から蒸発しやすくなり、さらに尿量が減少します。これが尿路の健康に影響を与えるのです。

飼い主さんができる予防法

ここでは飼い主さんがお家でできる尿トラブルの予防法についてご紹介します。

①飲水量を増やす工夫をする

新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。
また、猫ちゃんたちはわざわざ水飲み場に行くことをめんどくさがる傾向にあるので、
お水を口元に持って行き、飲水を促してあげましょう。

猫用の循環式水飲み器を使うのも効果的です。
流れる水を好む子達が多いので、循環式の水飲み器を使用するのも良いでしょう。

あとはウェットフードを取り入れるのもおすすめです。
水を飲むことが難しい場合、水分を含んだウェットフードを使うことで、
食事と一緒に水分を摂取することができます。

②寒さ対策を徹底する

猫ちゃんが暖かく過ごせるように環境を整えましょう。
暖房やホットカーペットなどを使用し、冷たい床に長時間座らせないようにしましょう。

猫ちゃんは元々砂漠地域出身の生き物で寒い環境は苦手な子が多いです。
室温としては27~28℃ぐらいを保つようにし、湿度も下がり過ぎないように加湿器などを使用し適切に保ちましょう。

③ストレスを軽減する

 

猫ちゃんはストレスにより膀胱炎を起こしやすい動物です。
特に年末年始は親戚が集まったり、ご家族が旅行に出かけお留守番をする時間が増えるなどして、猫ちゃんにとってはストレスが溜まるイベントが多くなる時期でもあります。
猫ちゃんがストレスを感じないようにするために静かで落ち着けるスペースを作ったり、
飼い主さんの生活リズムをできるだけ一定に保つように心がけましょう。

 こんな症状が出たらすぐ病院へ

以下のような症状が見られた場合は、早めにご相談ください。

・トイレで何度も力むが、尿が出ない
・血尿が見られる
・元気がない、食欲が落ちている
・お腹を触ると痛がる

尿閉(尿が出ない状態)は命に関わる緊急事態です。
丸一日尿が出ない状態が続くと、最悪の場合は命を落としてしまいます。
放置せず、すぐに動物病院を受診してください。

おわり

猫ちゃんの尿トラブルは、冬場に特に増えます。
日頃から飲水量や生活環境に気を配り、早めに異変に気づけるようにしてあげましょう。
当院では、猫ちゃんの尿トラブルについてのご相談も随時受け付けています。
ご来院の際にでもお気軽にご相談ください。

あなたと猫ちゃんがこの冬も快適に過ごせますように。

 

ココロよしざき動物病院 Y

猫の糖尿病を注射以外で

みなさま、こんにちは

気温も下がり過ごしやすい季節になってきましたね

今回は、猫の糖尿病の新たな治療法について少しお話したいと思います

糖尿病とは糖(グルコース)の代謝・処理がうまくできず、体内(血液中)に過剰に糖がストックされることで身体に悪影響をもたらす病気です

糖尿病と診断されたらインスリンという注射のお薬を注射して、糖を体の中で代謝・処理できるようにし、糖の量をコントロールする

というのが、今まで行われてきた一般的な治療法でしたが

先日、大阪で行われた学会でインスリン以外の治療法についての講演がありました

その方法というのが、インスリンではなく全く違う成分の内服薬による治療で、糖を体内で代謝・処理するのではなく、尿として体外に排出することで、体内の糖の量をコントロールをしようというお薬です

 

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このお薬は、1日1回の内服だけで、食事や投薬のタイミングを細かく管理する必要もないので、インスリンを用いての糖尿病治療よりも管理がしやすいのが特徴です

ただ、すべての糖尿病の猫に使えるわけではなく、個体によってお薬の向き不向きがありますので、実際にこのお薬で糖尿病が管理できるかどうかは、やってみないとわかりません

それと、あくまでこのお薬は糖尿病の治療の一つの選択肢であり、インスリンの治療よりも優れているというものではないので、誤った認識をしないようご注意を

詳しくは病院にて獣医師にご相談ください




ココロよしざき動物病院 V

猫の理想的な飼育環境

 皆様こんにちは。

院長の林です。

近年、猫の飼育頭数は増加しており。患者様でも猫ちゃんがとっっっっても多いです!!

そして、「猫のストレス」に起因する問題が増えてきております。

特発性膀胱炎、舐性皮膚炎、尿マーキング、攻撃行動など病気や問題を引き起こしかねない「猫のストレス」

猫は縄張りを持つ動物です。縄張りとは「自分の安心できる場所」であり、安全に食べる・寝る・爪とぎ・遊ぶという事が安心して出来る場所であることが必要です。

多頭飼いの場合は関係性をよく観察し仲の悪い猫同士は別々の空間に個々のトイレ、個々の爪とぎなどを与える必要があります。

猫に最適な飼育環境を画像に致しました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

ココロよしざき動物病院 林

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ペットの食物中毒に要注意!秋の危険な食材4選

こんにちは!
朝方や夕暮れにはちょっぴり冷んやりした風が吹き、秋を感じさせる今日この頃。

秋と言えば、『食欲の秋』

美味しい旬の食材がスーパーに並ぶ時期でもあります。
秋は美味しい食材がたくさんありますが、中にはペットにとって危険なものもあります。
さて今回は、ペットが食べてはいけない秋の食材を4つご紹介していきます。

1.ブドウ・レーズン

ブドウやレーズンは、犬と猫にとって特に危険です。

少量でも急性腎不全を引き起こす可能性があり、症状としては嘔吐、下痢、食欲不振、最悪の場合は命に関わります。

ペットが誤って食べてしまった場合は、吐かせる治療や、点滴などが必要となるため、すぐに動物病院に連絡しましょう。

 

2.栗

栗自体は毒性が低いですが、消化不良を起こしやすく、特に犬の場合は栗を丸呑みしてしまう子も多く、腸閉塞のリスクがあります。

甘栗や栗ご飯などに加えられているものは匂いが立っていて犬も思わずパクッと食べてしまうので要注意です。

与える場合は、細かく刻んであげるようにしましょう。
丸呑みした場合は、その後食欲が落ちたり、吐く下痢するなどの症状が出てくる場合があります。

明らかにしんどそうにしている場合は、腸閉塞を起こしている可能性もあるため、早めに動物病院へ連れていきましょう。

 

3.銀杏(ぎんなん)

銀杏にはメチルピリドキシンという成分が含まれており、犬や猫に神経症状を引き起こします。
嘔吐、けいれん、呼吸困難といった症状が現れ、命に関わることもあります。

イチョウの木の下には銀杏が転がっていることもよくあるため、散歩中に誤食しないよう、しっかり管理しましょう。

 

4.ほうれん草

ほうれん草は尿路結石の原因となります。

犬や猫の尿路結石はストルバイトとシュウ酸カルシウムの2つが発生しやすいです。
その中でもほうれん草の摂取によって見られることが多いのがシュウ酸カルシウム結石です。

ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれており、尿路結石や腎臓の問題を引き起こす可能性があります。
少量であれば問題がないケースもありますが、人の少量は体の小さな犬や猫にとっては十分量に相当します。

過去に尿路結石を患ったことがある子や、尿路結石のリスクがある子には与えないようにしましょう。
ペット用の食事には、少量でしっかり茹でたものを使うのが安心です。

 

まとめ

秋の味覚は魅力的ですが、ペットには注意が必要な食材も多くあります。
ブドウ・レーズン、栗、銀杏、ほうれん草は誤食しないように管理を徹底し、万が一食べてしまった場合はすぐに獣医師に相談するようにしてください。

ペットと安心して秋を楽しむために、食材選びには十分注意してください!

 

ココロよしざき動物病院 Y

エコー&レントゲン 半年に一回受けてください!

 皆様こんにちは。院長の林です。

暑い暑い8月です。皆様いかがお過ごしでしょうか。ぐだ~~~~~~~っとなりがちですがこんな時こそ気合を入れます!

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飼い主様から差し入れを頂くことが多々あります。いつもありがとうございます!

「先生、ひどく疲れてたので」とか「あら、せんせ、山籠もりでもしておられたの?ホホホ」とか言われたこともあります。

何も言われなくてもこうやって栄養ドリンクをそっと頂く事もあるので疲れて見えることが多いんだなと反省。すみません、気を付けます。

元気に元気に働きます!どうぞよろしくお願いいたします。

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待合室にも掲示している内容なのですが、ぜひ見ていただきたいのでBlogにも載せておこうと思います。どうぞご覧くださいませ!

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誤飲・誤食にご注意を!

こんにちは

夏の日差しも本格的になり暑い日が続いておりますが、皆様体調は崩されてませんでしょうか

 

今回はなぜか最近当院でよく見る≪誤飲・誤食≫についてご紹介したいと思います

 

一つ目【トウモロコシの芯】

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この症例は、飲み込んでから数日間嘔吐が続いているということで来院され、レントゲンの検査を実施したところトウモロコシの芯らしきものが確認されました

その後内視鏡検査で摘出を試みましたがサイズが大きくどうやっても内視鏡での摘出が不可能でしたので、その日のうちに開腹手術にてトウモロコシの芯を無事摘出いたしました

 

二つ目【おはじき】

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この症例は、まったく別件で来院され、たまたまレントゲンを検査を実施したら偶発的に見つかりました

はじめは何かわかりませんでしたが、明らかに異物であることは確認できたので、その日のうちに内視鏡検査で無事に摘出されました

 

 

どちらも消化されず腸に流れてしまったら詰まってしまい腸閉塞を起こすとてもあぶないものでしたが、幸いレントゲンで確認されその日のうちに適切な処置をして摘出されたので大事には至らずに済みました

 

今回の2症例は、どちらも犬でしたが、誤飲・誤食は犬に限らず猫でも起こります

もしなにか飲み込んでしまったり、もしくはその可能性が疑われる場合は様子を見るのではなく、早めに獣医師にご相談ください

より早く対応ができればその分負担は少なく済みますので

 

それでは今回はこの辺で。

 

ココロよしざき動物病院 V