子猫を保護したら

みなさまこんにちは。

最近子猫を保護されたというかたがよくいらっしゃいます。
そこで今回は子猫を保護した時に気をつけたい病気をお話しようと思います。

<子猫を保護したときに気をつける病気>
・ノミ、マダニ
・耳ヒゼンダニ
・糞便内寄生虫
・猫ウイルス性鼻気管炎 (猫風邪)
・猫免疫不全ウイルス感染症 (猫エイズ)

〇ノミ・マダニ
 子猫・成猫に関わらず屋外で暮らしている猫ちゃんのほとんどは体にノミやダニがついてしまっています。そのため、保護したらシャンプーを行い、病院で出されるノミダニ駆除薬を付けましょう。

ノミ

〇耳ヒゼンダニ
  先程のダニは皮膚に付着しますが、耳ヒゼンダニはその名の通り耳の中に寄生し、子猫に多く感染します。耳の垢を採取し顕微鏡で確認することで診断できます。

〇糞便内寄生虫
 下痢や血便などの症状がなくても外で暮らしていた子は消化管に寄生虫を持っている可能性があります。確認するためには糞便検査をする必要があります。
可能であれば来院する際に糞便を持参していただけると詳しく虫卵検査をすることができます。

〇猫ウイルス性鼻気管炎 (猫風邪)
 保護した子猫が鼻水、くしゃみ、涙が多いなどの症状があれば猫風邪に感染している可能性が高いです。この病気は抗ウイルス剤で治療を行います。

〇猫免疫不全ウイルス感染症 (猫エイズ)
 子猫を保護した時に一番重要なのが猫エイズです。上記の4つは罹患していても治療で治すことができますが、猫エイズは完全に治すことはできません。
外で保護した子猫は親猫がワクチン接種していないため、親から猫エイズを感染している可能性があるため検査の必要があります。
しかし、子猫の猫エイズ検査には注意点があるため、以下の流れで行います。

猫エイズ検査のフローチャート

以上のように子猫を保護した場合は、少なくとも2か月は他の猫から隔離をしてからエイズ検査をします。そこで陰性であれば検査終了、陽性であれば生後6か月を過ぎた後に再検査を行う必要があります。

 エイズ感染ありの場合でも症状が出ない限りは治療の必要はありません。
しかし常にウイルスを排出している状態になります。
そのため、生涯他の猫との接触を断つ必要があります、
他にも猫を飼われている方はご注意ください。

子猫を保護した時に気にするべき病気のほとんどが他の猫にも感染します。
既に他に猫を飼われている方が新しく猫を保護する場合は必ず検査を行いましょう。

※当院では子猫の保護は取り扱っておりません。
 ご自身で飼育される方もしくは今後譲渡するための事前検査目的の方はご来院ください。
 飼育が厳しい方は保護施設へお問い合わせくださいますようお願いいたします。

 ココロよしざき動物病院 F